あなたは大学病院にどのようなイメージがありますか？
忙しそう、教育体制がしっかりしていそう、厳しそう…など、さまざまなイメージを抱いているのではないでしょうか。
総合病院とは？
以前は「病床数が100床以上ある」「内科・外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科の5つ以上の診療科を含む」など、複数の条件を満たす病院が「総合病院」と定められていました。
法律上の規定は廃止されたものの、現在も多くの科を持つ病院や、病床数の多い病院が、固有名詞として「総合病院」を名乗っているケースは少なくありません。総合病院と呼ばれる病院の多くは、地域医療の中心的な役割を担うという特徴もあります。
総合病院で働くメリット
- 教育制度が充実している
総合病院は規模が大きい分、職員の研修や教育制度が充実しているというメリットがあります。
ラダー制度を設ける職場も多く、看護師自身が自己の課題やレベル感を把握し、上司や先輩看護師からアドバイスを受けながら目標に向けて取り組むことができます。看護師としての経験が浅く、今後スキルを身に着けていきたい方や、ブランクがあり入職直後から1人で業務を進めるのが不安な方にとってはメリットといえるでしょう。
質の高い看護を実践する看護師を育成するための院内研修だけではなく、院外研修や学会等、自己研鑽の機会を提供し、看護師として成長できるようサポートしています。
- さまざまな診療科の症例を学べる
診療科が複数あるため、一つの病院内でさまざまな経験を積み、症例を学ぶことができます。
診療科ごとに専門的な医療を提供しているので、それに伴った専門的な知識や処置などが身につきます。
- 給料や福利厚生などの待遇面の条件が良い
一概にはいえませんが、給与水準が高い点は総合病院の魅力です。
日本看護協会の「2020年病院看護実態調査報告書」によると、病床数が増えるほど、看護師の給与も上がることが分かります。総合病院と呼ばれるかどうかに関わらず、大きな病棟のある病院で働けば、より多くの収入を得られる可能性が高いでしょう。
また規模が大きい分、福利厚生が充実している点も魅力の一つです。総合病院と呼ばれる病院の多くは設備が充実しており、託児所を併設しているところもあります。病院の敷地内や近隣に託児所があれば、送り迎えの時間を短縮でき、小さい子どものいる看護師にとっては大きなメリットといえます。
総合病院で働くデメリット
- 希望をする科に配属されるとは限らない
規模が大きい分、必ずしも希望の科に配属されるとは限りません。また、転職時には希望の科に入れたとしても、あとで別の科への異動を命じられるケースも多いようです。
- 夜勤がある
総合病院と呼ばれる病院の多くは、100床以上の病床を保有しており、病棟での夜勤が発生します。
夜勤業務のデメリットはやはりその不規則な勤務時間帯でしょう。日勤・夜勤の両方をこなしていることで睡眠や生活のリズムが不規則になってしまい、疲労が蓄積したり体調を崩してしまったりする場合があります。
また、友人や家族と生活時間帯が合わないことでストレスを感じてしまうかもしれません。
確実に夜勤なしで働き続けるのは難しいかもしれませんが、「総合病院が良いけれど、いきなり病棟での夜勤はきつい」という方は、外来からスタートしたい旨を職場に伝えてみましょう。
- 研修やセミナーの負担が大きい
総合病院は教育制度が充実しているというメリットがある一方で、勉強が負担になりやすいというデメリットもあります。総病院の中には、業務時間の終了後や休日に研修などが開催されることもあり、自分の時間を削られることにストレスを感じる看護師もいるでしょう。学びの環境が充実している一方、仕事とプライベートとの両立に悩むかもしれません。
総合病院の看護師に向いている人は？
- 患者さんとのコミュニケーションを楽しめる人
- 同じ病棟内の看護師や他職種スタッフとの協調性を大切にできる人
- 幅広い処置やスキルアップを目指している人
- 日々進歩する医療技術をインプットするために、学習し続けられる人
大変な面もありますが、患者さんに寄り添い、心身の健康を全面的にサポートしていくことは、大きなやりがいにつながります。スキルアップやキャリアアップをめざす看護師にとって、最適な職場です。忙しく働く中で専門性の高い知識やスキルを習得していくことができます。
また、福利厚生を充実させている病院では、ライフスタイルにあった働き方もできるでしょう。
