あなたは大学病院にどのようなイメージがありますか?
忙しそう、教育体制がしっかりしていそう、厳しそう…など、さまざまなイメージを抱いているのではないでしょうか。
大学病院とは?
大学病院とは、大学医学部などの教育研究用施設として設置されている病院です。診療、教育、研究などの役割を担っています。
多くの大学病院は先進医療の実践に積極的で、重症度の高い患者さんを主に受け入れています。
また、大学病院の多くは特定機能病院として承認されており、令和4年12月1日現在において特定機能病院として承認されている88病院のうち、79病院が大学病院本院です。このことからも、大学病院と一般病院の間にある明確な違いを読み取ることができるでしょう。
さらに、大学病院は診療科目が細分化されているのが特徴です。一般病院は外科や内科など大まかな括りですが、大学病院では心臓血管外科や食道・胃腸外科、呼吸器外科、消化器内科、腎臓内科など、臓器ごとに診療科目が分かれています。
大学病院で働くメリット
- 高い専門性は身につく
大学病院で働く看護師は専門性の高い仕事に従事して、特定分野のスペシャリストをめざすことが可能です。一般病院に比べて専門医療に関わることができ、研修制度も充実していることから、専門性を高めやすいというメリットがあります。
各自の役割が細分化されていることもあり、一般病院の看護師がよく担当する採血や点滴を研修医や専任のスタッフが行うことも珍しくなく、大学病院の看護師は診察補助業務に専念し、スキルアップに励む環境があります。
- 最先端の医療に携われる
大学病院では「高度医療の提供」として複数の診療科があることから、複雑かつ重症な患者にも対応しています。最先端の医療を提供しているため、看護師を育成する研修が豊富で、スキルアップの機会を得られる環境にあるといえます。
- さまざまな研修プログラムがあり教育体制が整っている
大学や大学院などが育成の教育機関の役割を担っており、看護師等の実習も他の医療機関と連携して受け入れているので、教育の体制が整っています。新人時代からしっかりと教育してもらえるのは大学病院の大きなメリットです。看護師1年目からプリセプター、主任、師長になるまで、一貫して学びの場が用意されています。
- 院内設備が充実している
コンビニ、託児所、レストラン、コーヒーショップ、ヘリポート、駐車場…さまざまな設備が揃っているのも、大学病院の特徴の一つではないでしょうか。
また、書店が入っている病院は多くあると思いますが、研修医や研究のために医療書などの専門的な書籍を取り扱っている大学病院もあるようです。
- 給料が高い
日本看護協会の「2023年 病院看護実態調査 報告書」設置主体別で見ると、国立・公立・私立学校法人のほうが全体平均よりも2~3万円ほど高くなっています。
大学病院では重症度、難易度の高い患者さんを多く受け入れることから、病院の収入源となる「診療報酬」を得やすいといえます。病院が得た収入は看護師の給料にも還元されるため、一般病院と比較して、良い待遇の職場を探しやすいでしょう。
大学病院で働くデメリット
- 超過勤務が多くなりやすい
高度医療を提供している大学病院だからこそ、重症もしくは稀な疾患が多く、急変は日常茶飯事、医師からの急な指示変更も多いため、薬の変更や急な検査出しに追われるといったことから、超過勤務が発生しやすい状況があります。
近年は、ワークライフバランスを重視した働き方を推進する大学病院も多くあります。忙しくなりやすい環境とはいえ、仕事とプライベートの両立が可能な職場も少なからずあるため、就職・転職をする際は自分のライフスタイルにあった大学病院を探すことが大切です。
- 専門性が偏ってしまう
大学病院は診療科目が細分化されているため、より専門的な看護を行えるのがメリットですが、その反面で知識やスキルが偏ってしまう懸念があります。
- 委員会や研究活動の負担が大きい
大学病院は研究・教育機関としての役割も担うため、院内の委員会や勉強会、研究活動が盛んです。学びの環境が充実している一方、業務時間の終了後や休日に開催されることもあり、その負担が重く感じられることも…。仕事とプライベートとの両立に悩むかもしれません。
大学病院の看護師に向いている人は?
- 最先端の医療に携わりたい人
- 専門性を高めたい人
- 高い年収を得たい人
- 忙しい環境でテキパキと活躍したい人
- 福利厚生が充実した病院で働きたい人
大学病院はスキルアップやキャリアアップをめざす看護師にとって、最適な職場です。忙しく働く中で専門性の高い知識やスキルを習得していくことができます。
また、福利厚生を充実させている大学病院では、ライフスタイルにあった働き方もできるでしょう。