ひとくくりに病院といっても、様々な種類があります。どの病院にしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。ここでは、医療法が定める医療施設の種類別で各病院の特徴を簡単に紹介します。
コンビニエンスストア店舗数の3倍以上!日本の医療施設の総数は世界一!
日本は世界で一番病院が多い国です。
令和4年10月1日現在における全国の医療施設総数は183,364施設で、このうち、「休止中・1年以上休診中」の施設を除いた「活動中の施設」は181,093施設(医療施設総数の98.8%)にのぼります。全国のコンビニエンスストアが約57,000店舗なので、医療施設は優に3倍以上あるということになります。
病院の種類
医療法が定める医療施設の種類は、「病院」、「診療所」、「助産所」、「特定機能病院」、「地域医療支援病院」、「臨床研究中核病院」に区別されています。
- 病院
病院とは、20人以上の患者が入院できる施設を有する医療機関です。
- 総合病院:以前は「病床数が100床以上ある」「内科・外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科の5つ以上の診療科を含む」など、複数の条件を満たす病院が「総合病院」と定められていました。
法律上の規定は廃止されたものの、現在も多くの科を持つ病院や、病床数の多い病院が、固有名詞として「総合病院」を名乗っているケースは少なくありません。総合病院と呼ばれる病院の多くは、地域医療の中心的な役割を担うという特徴もあります。
- 精神病院:精神病床のみを有する病院
- 一般病院:上記などに該当しない病院
- 診療所
医師または歯科医師が医業または歯科医業を行う場所のことをいいます。
無床、またはベッド数が19床以下で患者を入院させるための施設があり、主に外来患者の診察や治療をする。「診療所」、「クリニック」、「医院」は、施設に付けられる屋号であるため、それぞれの名称の定義は特になく、自由につける事が出来ます。地域によって届出方法や様式が異なる可能性もあります。
- 特定機能病院
「特定機能病院」とは、高度の医療技術の提供および開発・研修を実施する能力を備えていることを、厚生労働大臣から個別に認可されている病院です。2022年12月1日時点で88病院が承認を受けています。特定機能病院の承認を得るためには、400床以上の病床を有する必要があるほか、紹介率・構造設備・人員配置・診療科目などの要件も満たす必要があります。
- 地域医療支援病院
地域医療支援病院は、医療施設機能の体系化の一環として、患者に身近な地域で医療が提供されることが望ましいという観点から、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院として都道府県知事から個別に承認されている病院です。2024年9月1日現在、707医療機関が承認されています。
- 臨床研究中核病院
「臨床研究中核病院」とは、日本発の革新的な医薬品や医療機器などの開発にあたり、国際水準の臨床研究などの中心的役割を担うことを、厚生労働大臣から認可されている病院です。厚生労働省のホームページによると、2021年年4月時点で14病院が承認を受けています。
臨床研究中核病院になると、より質の高い臨床研究・治験を実施できるため、研究者などの人材や被験者が集まりやすいといったメリットが見込めますが、こちらも厳しい承認要件が定められています。